井上逸兵のひとりごと
 
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2005年10月15日くらい号
 
ひさびさの信州
 
© Ippei INOUE
 
この週末はお仕事で長野市。
 
信州はいい季節だが曇りだったり雨だったり。
 
信州には懐かしい方々がたくさんいるが、なかなか皆さんにお会いするのは難しい。お会いしたくてもお会いできない方もいる。
 
一度住んだことのある場所には、離れて沸々とわき上がる感慨がある。住んでいた時には感じなかった愛おしさを覚えたりもする。久しぶりに来てあらためて感じるよさもある。
 
いろんなことがあったな。酔っぱらって田んぼに自転車ごと落ちたことや、メガネを田んぼに置き去りにしたことに気づかずに全身泥だらけで帰宅しかかったことや、寸前に気づいてまた戻って田植えのように深夜の田んぼでメガネを探したことなど、電車の窓から景色をながめていると様々なことが思い出され、ふとセンチメートルになってみたりした。
 
 
電車や街から見える範囲では紅葉にはまだ早いようだが、信州の秋はいい。
 
美しい。キノコがうまい。りんごがうまい。そばはいつもうまい。ああ「そば打ち楽座」(松本市)に行きたい。ついでに「石谷もちや」の草餅とみたらしもちを食べたい(ってそれは富山市)。もひとつついでに、「いの字」の寿司喰いたい(って、それ金沢市。新しい店だけど)。さらに言えば、デイヴィスの「ドス・コヨーテ」のブリトー食べたい、って、もーええっちゅうねん。
 
信州の秋はいいが、冬はきびしい。長野市は雪国かもしれないが、松本はいわば氷の国。信州大学人文学部がまだ県(あがた)に校舎があった頃(今も旧制松本高校の校舎として保存されている)、前の晩研究室で飲み残したお茶は、朝には凍っていたそうだ(建物古いんで)。風呂あがりの濡れた髪で夜外に出たら確実に髪は凍る。鼻水が凍って、それがつきささって鼻血を出したこともある。その鼻血が凍ってまた凶器となっていたら、と思うと気の小さい僕は夜も眠れなかった。
 
厳しい季節を迎える前のこのいい季節を信州人は楽しまねばならない。冬がもう一ヶ月短くて、夏がその分長いとほんとにいいと思う。ついでに大学もあと8ヶ月くらい夏休みが長いとこんないい職業はないとも思う。
 
松本市の嫌だったことの一つはゴミ収集所に出すゴミ袋に記名しなければならないことだった。クレイジーだと思った。指定のゴミ袋にはまるで答案用紙のように記名欄がある。「井上逸兵」と記名してゴミ出ししていた学生もいたらしい。松本のあちこちで僕はゴミを出していたことになる。
 
と、あまりろくなことを思い出さない。それとももともとろくなことがなかったのだろうか。いやそんなはずはない。信州大学に多大な貢献をしたはずだ。え?最大の貢献は転出したことだって?
 
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