井上逸兵のひとりごと
 
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2006年3月1日号
 
メール鑑定
 
© Ippei INOUE
 
荒川非ず香、いや静香とメール偽造で盛り上がったここ数日。
 
しずかちゃんのおかげで今回の日本の五輪も救われたね。よかったね。きれいだったね。まおちゃんがもし出られて金メダルとってもああいう大人の美しさとしてアピールできなかっただろうね。源のしずかちゃん以来のしずかちゃんフィーバーがしばらく続くだろうね。
 
メール偽造については、ワイドショーなどの厳正なる情報によると、ただただ笑うしかない。子どもの言い訳のようにかわいい。
 
それはともかく、今後、筆跡鑑定ならぬ、メール文体鑑定のような仕事が必要になるにちがいない。犯罪の立証のための筆跡鑑定は、戦後まもなくの刑法の改正を契機に使われるようになったらしい。メール鑑定もそろそろ専門家がいるだろう。
 
そういえば、うちの弟が小さい頃、筆跡鑑定という仕事をしたいけど、どうやったらなれるのかということをきいてきた。まったく予期しない質問に、無知な兄は答がわからず、習字の先生にでもなればいいんじゃないかなどと言っていた。その後、弟はやっぱりニューカレドニアで農業をやる、と言うようになった。結局どちらにもならなかった。
 
拘留中のホリエモンもメールの内容で問いつめられたとき、メールが偽造かもしれないじゃないかと反撃して得意になっていたと伝えられているが、たしかにデジタルなメールの真贋を見分けるのは難しいだろう。
 
筆跡鑑定というのは、そもそも普段の字と比較して問題の筆跡がそれと同一か否かを鑑定するものである。メールの鑑定も当然ながら、普段のメールをもって来なければお話しにならない。
 
それでもデジタルの文章ではむずかしい。顔文字の癖で判断できるかもしれないが、(^_^)や(^_^;)くらいじゃ誰でも使ってるし、ATOKにも搭載されているほどである。
 
\(〇_o)/コワイヨー
 
(ノ-_-)ノ ~┻━┻ こんな飯食えるか!(ちゃぶ台ひっくりがえしの図)
 
 
お茶しない?
 
 
くらい変わったものじゃないと同一のメールとの認定は難しい(初動画!)。そういうこれらもhttp://www.kaomoji.com/kao/から拝借した。
 
メール文体癖のようなものがあるとしても、コンピュータでその文体を再生産させるのはたぶん容易だろう。出会い系サイトの広告がいまだにうっとうしいが、今はほぼ100%サクラしかいないそうで、中にはコンピュータがかわいい女性の文体を装って返事を書くものもある。
 
出会い系で知り合った(と思った)女性にメールのやりとりで恋をしてしまい、あとでそれがコンピュータだったことがわかって愕然とした、という話は後を絶たない。このような妄想力はきっと文学鑑賞に用いるとよい。
 
僕も純粋に言語学的、コミュニケーション研究上の関心から、メールを出してみたことがある。実に絶妙な時間をおいて返事が来る。即答すればロボットだということがバレバレだからね。
 
飽きてしまってほったらかしにしていると、一日くらいあけて「メールじゃなんだから、やっぱり一度会ってお話ししたいな」などというメールが来て、さらに一日経つと「しかさん、最近メールくれないけど、やっぱり私じゃだめなのかな」などというメールがくる。
 
ロボットの忠実な仕事ぶりに感心すると同時に、「しか」などという間抜けなハンドルネームをつけたことを思い出し、自らの不可解な行動に苦悩することになった。言語研究の道は険しいのである。
 
 
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