井上逸兵のひとりごと
 
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2006年5月15+1日号
 
ニュースの価値
 
© Ippei INOUE
 
このところひとりごとが遅れることが多いぞ、という叱咤激励をいただく。ありがたいことである。つまりは、待ってくださっている方もいらっしゃるということだろうから。
 
それにしても近ごろ目につく人殺し、遺体報道。みんな好きなのね。何人殺したか知らないけど、もうええっちゅうねん。あれではまるで殺人者は英雄。
 
まともに見たことないが、バンセンによれば、よくあるサスペンスドラマでもどうも死人が出ないわけにはいかないらしい。しかもそのようなシーンがバンセンに流れる。
 
人を死なせずして受け手の心を動かす技量がドラマの作り手に不足しているのか、死ぬシーンくらいないと受け手が心を動かさない世の中になったのか。
 
ニュースも殺人のオンパレードだが、ただし、動物はやや格下で、大量に死体が見つかったりしないと報道してもらえない。某教授は怪我をした虫を見つけて、動物病院に連れて行ったというほどの動物(生物?)愛護家だが、それほどのお方はこの世ではきっとスマトラオラウータンよりも希少だろう。だから動物がちょっとやそっと死んだくらいではニュースにはならない。それにしても、負傷した虫を連れ込まれた獣医もムシするわけにもいかず困惑したにちがいない。
 
ニュースやドラマも、死にいたらずとも非日常的な出来事でなければ、人目を引かない。ふとんたたき騒音おばさんや出前いやがらせおじさんも、日常と隣り合わせのような出来事ながら、やっぱり笑えるほど非日常というその分厚い紙一重の差が人々の興味を引く。
 
某消防士の話だと、昔に比べると最近は火事の件数が減っているらしい。そのわりに火事のニュースが多いような気がするが、減ったからこそ珍しく、報ずるに値するようになったのだろう。以前は、火事なんてよっぽど大きくなければいちいちニュースにしなかったということだ。
 
最近、僕の目を引いたニュース。福井刑務所での暴行事件。
 
同刑務所などによると、27歳の受刑者と31歳の受刑者は昨年5月上旬、男性の上前歯1本を自身に抜き取らせ、さらに27歳の受刑者は別の上前歯1本を手で抜き取ったという。また、27歳と別の38歳の受刑者が男性を押さえつけて無理やり座薬を入れた。(2006年5月13日 読売新聞)
 
歯を抜き取らせ、抜き取る、なんて惨たらしい暴行だろう、って、ちょっと待て。
 
無理やり座薬を入れた
 
座薬を入れる?
 
なんて陰惨な暴行だろう、なんて残虐なんだ!なんて非情な!お願い、笑いが止まらない。
 
いや、たしかにあれはつらい。まず人格が否定された気になる。ちんちんを見られるより、肛門を見られる方がずっと屈辱的だ。いやほんとうにこれは笑い事じゃないぞ。それにしても、極悪非道のそいつらは座薬をどのように入手したのか。差し入れ?
 
と、無意味なことを書き連ねていたら、つい今さっきホットなニュースが飛び込んできた。
 
【ソウル=中村勇一郎】韓国の人気俳優ペ・ヨンジュンさんのソウル市の自宅で今月7日夜、火災が発生していたことが16日、わかった。
 
 ペさんにけがはなかった。
 
(読売新聞・Yahoo!ニュース) - 5月16日20時4分更新
 
「ぺさんには、けがなかった」と一瞬読んで、にわかに勇気づけられた自分が好き。
 
さて、あしたの授業の準備しよ。
 
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