井上逸兵のひとりごと
 
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2006年7月1日号
 
民間が日本を支える
 
© Ippei INOUE
 
今日からタバコが増税に伴って値上がりしたとのこと。愛煙家には厳しく、嫌煙家には朗報だろう。僕もかつて本物の若者だったころ(今も若者だから)喫煙していたことがあったが、そのむかし滞在したカリフォルニアではあまりにたばこが吸いづらいので(吸う場所がない、嫌がられる)、すぐに面倒くさくてやめてしまった。すんなり。
 
日本もかなりの嫌煙国家になったものだ。けっこうなことだと思うが、愛煙家はさぞ肩身が狭かろう。たばこを吸っていると露骨に嫌な顔をされたりする。
 
いっそのこともっと税金を高くして、一箱三千円くらいにしたらよいだろう。結果は、喫煙者が激減して、生活環境が健康的に改善されるか、たばこからの税収が飛躍的に多くなるかのどちらかである。どちらも日本に暮らす者にとってよいことである。
 
そうなれば、道で喫煙者を見かけると、周囲は感謝の目を向けるようになる。たくさん納税してくれてありがとう、癌なんか大丈夫だから(自分にとっては)もっとたくさん吸ってね、とやさしい気持ちで暖かいまなざしを送るだろう。
 
少し前に、駐車違反の取り締まり方法も変更され、民間委託されるようになったが、それもけっこう効果があるように思う。いつもならだいたい迷惑な車が止まっている通りも駐車する車が少なくなった。ちなみに僕は違法駐車、迷惑駐車許せない系、むかつく系である。
 
いっそのこと、民間人の係員をわざわざ雇ったりしないで、誰でも駐車違反を取り締まれるようにすればいいと思う。駐車違反のステッカーは百円くらいでコンビニで売る。取り締まりたい人はそれを買って、違法駐車の車に貼り、今や誰でも持ってるケータイのカメラで証拠写真を撮って送るのである。取り締まった人には、その報酬として一件あたり千円か二千円くらい支払われる。
 
そうすれば、誰でも手軽に違法駐車を取り締まることができ、道はいつもスッキリ。仕事のないプーさんや主婦も気が向いたときにちょっとした収入を得ることができる。
 
「やっべ今日おれ飲みに行く金ないや、ちょっと待って二、三台ハッテくるから。」
 
「あたし今度ハワイ行くからー、ちょっとがんばってたくさん締めなきゃいけないのよ。」
 
などという会話が日常化するであろう。取り締まりステッカーを貼る行為に対して「ハる」、「締める」などの若者ことばが誕生するだろう。いつも取り締まりをしている者を「シマラー」などと呼ぶようになるだろう。「おれ、シマラーやってんの」とかファッショナブルに自らのアイデンティティを誇示するだろう(ないか)。
 
また、罰金収入?によって国庫が潤うこともいうまでもない。全国取り締まり者ベスト100には賞金も与えられ、民間人は目をランランと輝かせて違法駐車の車を探すことになる。違法駐車、迷惑駐車撲滅である。
 
むろん、よいことばかりではない。
 
違法駐車車の取り合いでけんかになることがあるかもしれない。「この車はおれが先に締めようとしてたんだよ」、「何いってんのあたしの方が先よ」などという口論もしばしばあるだろう。しかし、そこに当の車の所有者が戻ってきてけんかの仲裁をする。それが日本だ!(ったらいいな)。
 
さらに深刻な危険にさらされる可能性もある。
 
「三〇日午前八時四〇分ごろ、横浜市港北区日吉の綱島街道日吉駅前付近で、赤信号で停車中の乗用車に誤って駐車違反取り締まりステッカーを貼ろうとしたK大教授が急発進した同車にはねられ死亡した。ほぼ即死と見られる。教授のポケットには約三〇枚ものステッカーが入っていた。」
 
などというニュースが流れることのないよう注意が必要である。
 
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