井上逸兵のひとりごと
 
*このページへのご意見ご感想は好意的なものだけいただきます
 
2007年5月1日号
 
働くGW
 
© Ippei INOUE
 
世間は連休さなか、小生の勤務する大学は休みじゃなく、しかも小生が教室に行かないと始まらないとされている授業があり、さらにそれが1限にある曜日だったのでしかたなく朝の通勤電車に。
 
いつもより若干空いた電車。ああお前も休みじゃないのか、やあ君も、などと声をかけあうはずもなく、みな伏し目がちにおのれの不幸を呪っている。
 
大学教員の商売は人が働いているときによく休んでいる(ように見える---注:実際はものすごく働いている。原稿を書いたり、いびきをかいたり、ヘソをかいたり大変に忙しい)ので、こんなときくらいしかたがないと思えばいいものを、人が休んでいるのをうらやまずにはいられない。そのようなあくなき欲求こそが知の探求の原動力なのだ。
 
昼間の電車ではいかにも今日は休みだぞと言わんばかりのオジサンたちの姿が目に入る。ネクタイたちを尻目に優越感を楽しんでいるのだろう。しかしながら、どうにもオジサンはカジュアルな服装が苦手な人が多い。家なしさんと区別しがたいチョイワルオヤジもいる。
 
本人は休日気分を周りにアピールしようと思っているのか、見せびらかすように駅や車中でアルコールをたしなんでいる。が、だいたい缶チューハイか発泡酒を飲んでいるので、やはりチョイ金持ちの家なしさんに見えてしまい、小生ですらうらやましがらない。ていうか気持ち悪い。オジサンの小生が気持ち悪いのだから、もっと若い人たちは目を背けても当然だ。
 
菊地凜子のアカデミー賞ノミネートで話題になった『バベル』は鑑賞中に気分が悪くなった人がいて、その原因は光が点滅するシーンやブランコが揺れるシーンなどらしい。そのようなシーンでは、直視しないようにと注意が促されている。直視しないでと訴えた映画がかつてあっただろうか。
 
被害者が意外に少ないのも直視しないことに慣れている人が多いからかもしれない。オジサンも直視を避けられているので、この社会で許容されているとも言える。ちなみに小生を直視するのはうちの犬くらいなもので、学生たちなどは注意深く小生への直視を避けているようだ。
 
ひとりごと2007年のフロントページに戻る
もっと以前のも読む
井上逸兵のホームに戻る