井上逸兵のひとりごと
 
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2007年6月1日号
 
松本です
 
© Ippei INOUE
 
集中講義で信州松本に来ている。しばらくぶりなので見るものすべて何だか懐かしく、かつ不思議なことに新鮮に感じられる。ひょっとするとこれは老いの徴候かもしれないとチョウコウっと思ったりしないでもない。オイオイと自らのオヤジ的ことばの遊戯につっこみを入れたくなるほど気候は爽快だ。ソウカイソウカイ、などと言っている場合ではない。これくらいで勘弁してさしあげよう。だんだんいやな気分になってきた。
 
今、休憩時間。窓の外、遠方に美ヶ原。冬は凍てつく氷の世界で厳しいが、この季節は本当に美しく気持ちがいい。と気分を回復させてみた。
 
女鳥羽(めとば)川という川が信州大学のそばを流れているが、学生たちがバーベキューを楽しんでいる。今日はこの大学の開学記念日で僕の授業以外はお休みなのだ。信州の人たちはよく野外でバーベキューをする(屋内でするのをバーベキューと呼ぶか否かという難問はとりあず措こう)。この時季の気候を知っていれば、理由は問う必要もない。うちの中で食べるより気持ちがいい。僕の授業をとっている人はバーベキューができなくて気の毒だが、肉の食べ過ぎは身の毒だっかもしれないと思ってもらうことにしよう。
 
実のところ、僕はあまりバーベキューは好きではない。自分で焼いて食べることに喜びを感じない。できれば誰かに口まで運んでほしい。炭の火をおこすとかも、できることなら縄文時代くらいに終わりにしておいてほしかった。うまくやれない。鉄板とか網とか洗うことも、アライグマにやってもらえるならそうしていただきたい。アメリカに使い捨てのバーベキュー網ようなものが売られていた。これなら洗わずに済むと思って使ってみたが、肉と一緒にその網も焼けて溶けてしまい、何も食べられなかったといういまわしい経験をしたことがある。そんなことは忘れたくても思い出せない。まことに食べるというのはたいへんなことだ。
 
さて、そんなことを途切れ途切れに書きつないでいたら夕刻になった。何か食べに出かけよう。元同僚の誰かを探索に行くか、どうしようか、たまった仕事も持ってきたし、おとなしく仕事をしているべきか、食するととはかくも苦行である。
 
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