井上逸兵のひとりごと
 
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2008年1月15日号
 
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© Ippei INOUE
 
わが恩師の定年退職をゼミのOB・OGと現役生とでお祝いする会があった。オジサン、オバサンから、ピチピチした現役学生男女まで多くが集まり、盛会となった。ちなみに小生はピチピチしたオジサンということにしておこう。どこがピチピチしているかはこの際おいといて。
 
大学教授が定年でおやめになる場合には、最終講義など結構華々しくセレモニーをなさる方もいらっしゃるが、わが師はひっそりと消えたいとおっしゃる。しかし、送る側としてはひっそり消えられるのも困るので、OB/OG会を兼ねてということでこの会の開催もお許しいただいた。(よい子のための注:「最終講義」とは、ほんとの最後の講義ではなく、講演会のような形式でやるのが通例である)
 
わが師については、長い間、しかもたいへんにお世話になっているので、軽々しくこのようなところで書くことはできない。また、定年でこの大学をおやめになるというだけで、今後もご活躍なさるだろうから、あまりしみじみと回顧するのも適当とは思われない。それに回顧してしまうと長大な量になってしまうので、やめておこう。
 
大学教員の定年は大学によってバラバラである。慶応の定年は65歳だが、早稲田のように70歳のところも珍しくない。一般企業から見ると、長いようにも見えるが、なにせこの世界、職に就くのが遅い。30代でやっと専任職に就けたなんて話はまったく珍しくない。哲学者のカントですら46歳まで無給講師だった。受講者から直接もらうおひねり(謝礼)だけで食いつないでいた(と思われる)、要するにフリーターである。カントほどならわからないが、これはふつうなかなか体力的にもきつい状況だ。
 
体力といえば、ここしばらく腕が痛んでいた。もう1ヶ月以上痛む。しかも、さっぱりよくならず、ますます痛くなる。どうもおかしい。服の脱ぎ着も困難な状態になってしまった。ここ数日、痛みがかなりひどくなったので、これは骨にヒビが入っているとなぜか確信した。
 
しかたない、もうこれ以上放置するわけにもいかんと、近所の整形外科に行った。簡単に腕を触られ、レントゲンをとり、またお医者に呼ばれる。かなり年配の、ゆるめキャラのお医者だった。ついに骨折を宣告されるのか、覚悟を決めよう、とドキドキしていると、
 
お医者「骨に異常はありませんね。いわゆる、五十肩ですな。」
小生「ええっ!? マジすか! センセイ、僕まだ四十ですけど!」
お医者「あ、あー、じゃあ、四十肩でもいいよ。」
 
寛大なセンセイだ。格下げしてもらった。
 
ショック。実は、今シーズンに備えて、ひそかに長打力を伸ばそうと筋トレをしていたのがたたったらしい。「重いもの持っちゃだめよ」と先生。長距離砲への道は絶たれたか。46歳のカントはどんな肩の状態だったのだろう。
(2008年1月30日)
 
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