井上逸兵のひとりごと
 
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2008年2月15+11日号
 
ビーラー再考
 
© Ippei INOUE
 
顔の傷(前号参照)のカサブタもようやく残すところ5平方ミリメートルくらいになった。一時期は元の美しい顔を忘れてしまうほど唇が腫れ上がり、カルガモだとか、クチパッチ(たまごっちのキャラクターらしい)などの愛称を頂戴したり、何をしゃべっても「グワッグワッ」としか聞こえない、などと暖かく励まされたりもした。ちなみに、腫れのひいた今でも元の美しい顔を思い出せないでいる。
 
この業界も歓送迎などの宴の多いシーズン。顔があまり宴席向きではないが、やむをえずマイ・ストロー持参で参席していた。ストローで飲んでもビールはそれなりに美味であることは新しい発見である。怪我の功名という諺のこれ以上のよい実例はない。「ビーラー」の定義に「ストローでビールを飲んでもうまいと思える人」と加筆せねばならない(2005年12月15日号および前号参照(ウザイ?はいはい))。
 
とはいいつつ、ストローで飲むとビールが別の味わいとなることは確かだ。が、そんなことにめげてはいけない。ビーラーたるもの、ゴクゴク飲むという快感に過度に依存してはならないのだ。チビチビとストローでビールを飲んでプハーと言えることもビーラーの重要な条件の一つなのである。
 
それにしても、おもむろに懐よりストローをとりいだしてビールを飲むという図は、なかなかイケてるというか、ウケねらいが半分以上だったが、意外にも、ひかれた。若者たちの言うところのドンビキと形容されるべき状況だったと推察される。傷よりも憐れみの視線の方が痛みを感じさせることがあるのを知って、少しだけオトナになった気がする。
 
宴席で近隣の方からストローで飲むと早く酔っぱらう、などと理科の先生のようなことを言われたが、酔っぱらうかどうかは重要な問題ではない。それにいつもと特段に変わりはなかった。
 
ちなみに、最近は酔っぱらってもシラフでも頭脳の状態に大差なく仕事ができる。飲んで帰って仕事をすることもある。かなりオトナな気分だ。ただし、酔っても頭脳がさえているのか、シラフの時も酩酊時と同程度の頭脳の状態なのかは不明である。さらに、酔っぱらって階段ですっころんでおきながらそんなことを言うヤツの仕事を信用すべきかはそれ以上に不明である。
 
それにしても、今年になってたった一月半の間に、四十肩になるわ、美顔に怪我するわ、災難続きである。残りの十ヵ月にいったい何が起こるのだろうか。不安になっていいのか期待していいのか、悩みは深く、またビールを飲まざるをえない。ビーラー道は険しいのである。
 
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