井上逸兵のひとりごと
 
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2008年7月1+118日、それはとにかく10月28日号
 
ポーランド便り(おまけ)
「まぬけなワルシャワ旅行」
 
© Ippei INOUE
 
更新回数稼ぎもここまでくると、もう開き直りである。なんと言われようと稼ぐのだ。
 
旅と言えば、読書である。音楽はやがて疲れる。見たくない映画も見たくない。本が一番安らぐし、手軽である。
 
で、ワルシャワに行くなら、ワルシャワを舞台にしたものでも読みたいな、と出発前に注文しておいた本があった。シンガー(ノーベル賞作家)という人の、岩波少年文庫だが、『まぬけなワルシャワ旅行』である。楽しみにまったくページを開かず、空の上で読み始めた。
 
ヘルムというまぬけな人ばかりが住んでいる町に、とりわけまぬけなシュレミールという男がいた。シュレミールは旅にあこがれ、ある日、働きに出た奥さんのいない間に、本来は留守番役だが子供をほったらかしにして、ワルシャワへの旅に出る。ヘルムにはワルシャワ通りという名の通りがあるので、その道をずっと行けばワルシャワに着くと信じてひたすら歩いた。途中、疲れてひと眠りすることにした。だがもし起きた時に方向がわからなくなったらたいへんなので、靴を脱いで、靴の先を進むべき方向に向けておいて眠った。ところがそれを見ていたいたずらものが、こっそり眠っている間に靴を反対に向けたので、やがて起きたシュレミールはもと来た道を戻ることになってしまった。
 
ヘルムに戻ったシュレミールは、なんてヘルムにそっくりな町があるんだろうと感心し、思案したあげくまったく同じ町がこの世に二つあるのだという結論に至る。おまけに自分の家にそっくりな家があり、そこには自分の奥さんにそっくりな奥さんがいて、自分の子供にそっくりな子供が暮らしていた。子供をおいて勝手に出かけたシュレミールは、奥さんにこっぴどく叱られるが、自分は別のヘルムの町のシュレミールだから、おまえの旦那ではない、と主張する。気が狂ったと思った奥さんは、町の長老たちに問題解決を依頼すると、ではこちらのヘルムのシュレミールが帰ってくるまで、この別の町のシュレミールを、奥さんが働きに出ている間の子守として町が雇おうということになり、みな名案だと賛成する。シュレミールは町に給金をもらいながら、これまでと全く同じ暮らしを続けたのだった。めでたし、めでたし。
 
って、ワルシャワ行かないんかい!!
 
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