井上逸兵のひとりごと2003年までのセレクション02

(このページは2003年までのひとりごとのうち比較的ご好評をいたいたものを多少改訂して再掲したものです。)

 

ウェブ日記と露出狂2003121日号)

 

CIppei INOUE

 

 最近はウェブ上に日記を書く人が多いそうな。そしてそれを好んで読む人もいるらしい。人が秘密に書いたものを読んでみたいという欲求は何となく理解できるが(むろんその人に関心があれば)、それは秘密だから見てみたいというところもある。こうもあけっぴろげに見せられる日記にはかつてこの言葉がもっていた秘め事的なエッチさはなくなってしまった。露出はほどほどが刺激的である。

 

 先日、池上線と大井町線が交差する旗の台駅のホームでちょっとした事件に出くわした。ここは近くに女子校を含めて学校がいくつかあり、また乗り換え駅でもあるので、時間帯によっては中高生で賑わう。そういう時間帯に「事件」は起きた。ある中年男性が女子中高生たちに見せびらかさんとばかりさっとズボンを下げたのである。パンツまで下げないのが中途半端だと思ったが、ああこういう人がやっぱりいるんだとへんな感心をしながら遠巻きに見ていた(だめ?)。

 

 パンツの中まで見せなかったせいか、まわりの女子中高生は意外と冷静だった。「きゃー」という悲鳴をおじさんは期待していたようでもあった。が、それもなかった。むしろ、少し離れたところにいた、まったく無邪気な女子中学生のひと言に意気消沈したかに見えた。

 

「あ、うちのおとうさんと同じパンツだ。」

 

彼女といっしょにいた友達らにつられ僕も爆笑した。

 

 露出も「おとうさんのパンツ」によって非日常性を奪われてしまった。露出狂の心理もよくわからんが、見せるべきでないものをあらわにし、それが非日常的な反応に迎えられることで快感と刺激が得られるのではないか。おじさんはそそくさと人混みに消えていった。こころもち肩を落としているようにも見えた。

 

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