井上逸兵のひとりごと:復活(します、たぶん)

ひとりごと

© Ippei INOUE

いったいどれくらいの間ひとりごちていなかっただろう。過去のページを見返せば、最後に書 いたのが 2009 年とある。それまでどうやってあのように天才的な文章を書いていたのか、 忘れようとしても思い出せない。きっと書き続けていれば村上春樹級になっていたはずなのに 惜しいことをした。

この空白の 5 年近くの間に、たくさんの方々からなま温かい激励をたびたびいただいていた。 「早くひとりごとを更新してほしい」、「いつ再開するのか」、「待ち遠しい」、「100 円貸して ほしい」など慈愛に満ちたお声を多く頂戴し感謝感激である。

それにしても、この間、ネット上の言語空間がすっかり様変わりしてしまった。学生にそその かされてミクシィなるものを始めさせられ、なんとなくまあ時代の流れにのれたかなと思って いたら、あっという間に、フェイスブックだのツイッターだの LINE だの、つながりあってい るメディアが小生に何の相談もなく世の中を席巻し、ひとりごとなどという一方向的な言説は 前世代の遺物となってしまった。でもやるよ(ツイッターもやるよ)。

ひとりごてなかったこの 5 年間、小生とて何もこの世にメッセージを送らなかったわけでは ない。数々の著作によって社会に大きな波紋をよぶ問題発言を続けてきた。いずれも大好評を 博し、その証拠にたくさん売れ残っているが、中にはあまりに大好評を博しすぎて 1 年で絶 版になった著作もあるくらいだ。そんなことくらい小さい小さい(泣)、大を見ずして小にと らわれる者は、英語でタコは何でも octopus だと思ってるやつに等しい。タコの足は tentacle って言うんだ。テンタコだぞ。天タコだ。ゲソこそ天のタコなのだ。

やけくそではありません。切れ味が戻るまでしばしお待ちください。 かつて切れ味があったとして。(2013年11月1日号)

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