ほんとに年の暮れ

© Ippei INOUE

ほんとに年の暮れ最長の更新遅延。もうウザイので来年から「+○日」といちいち書くのやめよう。週刊誌も次の発売日の日付が号数になっていて次号も買えと促しているし、 年度内に出すことが義務づけれられている報告書などもよく3月45日くらいに 出されたりするのと同じである。

本当に一年を振り返らねばならない時まで遅延してしまった。過去を振り返らな いというのが前向きというものだろうか。前向きに生きろというが、後ろを向い ている方が楽なこともある。でも、つらいこともある。小生はと言えば、どっち を向いてもつらい、そんなお年頃という気がしてならない。

我々の未来は前にあり、過去は後ろにある。が、アンデスのケチュア族だったか は、過去が自分たちの前にあると考えるのだそうだ(という話を聞いたことがあ る気がする)。「過去を振り返る」というイディオム自体が我々固有のものなの だ。といいつつ考えてみれば、日本語でも「以前に」と過去のことを「前」というし、「後(あと)で」といえば先のこと、つまり未来のことである。さて、日本語のイディオムにしたがって今年を振り返ろう。

おんぶおばけ(知ってる?)のように離れてくれない仕事があって、いったいい つからおんぶしてるんだっけと思い出そうとしても涙しか出ない。ひょっとして 去年の今頃もおんぶしてたような気がしないでもない。いまだに終わらない。 と、自分の仕事効率はつねに棚にあげ、実は自分の方こそ関係の方々におんぶさ れていることに気づかないふりをしてみる。

今年もいろいろあった。例年にましていろいろと、そして大きなこともあった。 が、年々不感症になっているようで、いちいち感情的に消化してないような気が する。何でも流れ作業に乗せてしまっているかもしれない。よくないことだ。こ れは言うなれば、井上の授業を受けていちいち感動しない学生のようなもので、 はなはだ失礼な話である。井上の授業を受けながら感動のあまり気を失って机の 上につっぷしている学生もたまに見かけるが、そこまでは見習わなくてよい。

今年の正月のひとりごとをひもとくと、今年はアナログ回帰をめざすと宣言して いる。実現のほどはどうだろう。あいかわらず授業や講演はパワポには頼ってい るが、使用頻度は若干減ったかもしれない。ただし、それが小生にとっても受講 者にとっても利益だったかは定かではない。

さて、この一年も、多くの方々の冷ややかな反応と、ごく少数の方々の励まし と、若干名の方々の揶揄に突き動かされてひとりごちてまいりました。最近の更 新日を見ると、かなり余裕のなさを我ながら感じます。こう毎回「+何日」なら、ひとりごとうと思う日を前倒しすればいいのに、と思いますが、言うはやすし、心はきよし、まま成りませぬ。もしよろしければ来年もたまにご覧ください。

皆様、よいお年を!さて、あしたは正月号を書こう。

2007 年 12 月 15+13 日号

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