井上逸兵のひとりごと:ようこそ日本へ!

ひとりごと

ようこそ日本へ!

2007年5月15日号 ©IppeiINOUE

日本ブームなのだそうだ。しかもデジタル家電を買い求めるだけでなく、「日本文化」なるものを目当てにご苦労にも外 国から観光にいらっしゃるという。

相撲部屋見学、寿司握り、陶芸、和太鼓などの体験ツアー。なかなか興味深そうだ。が、はた してこれらを体験したことのある日本人はいったいどれくらいいるのだろう。

テレビでやってたが、欧米人らしき白人のお姉さんが手ぬぐいのアネさんかぶりに割烹着で料 理体験にいそしんでいた。イマドキそんなかっこうして料理している日本人がどれほどいるの か。

まあ日本人も韓国に行けば焼き肉、中国に行けば北京ダックを食べ、カリフォルニアに行けば カウボーイハットをかぶっているのだから大差ないと言えばない。ディズニー国に行けばネズ ミも口をきくと思いこんでいるのと同じようなものだ。

それにしても、思えば皮肉なものである。日本が経済大国といわれた時代には、経済は一流、 文化は二流、キティはサンリウと言われたものだった。経済がイマイチになって脱力したとた んに日本の文化に世界が目を向けるとはね。

もちろんアニメやマンガが大きな要因だろう。それが引き金になってそれ以外の日本の文化に 目を向け始めたのだと思う。あるある大事典で言っていたから間違いない。ヨン様にハマった ことがきっかけで韓国語を習い始めたり、イノウエに出会ったことがきっかけで英語が嫌いに なったりというようなことがあるのと同様だ。東スポに書いてあったから間違いない。マンガ で日本語を学んだために、「貴様」が高貴な二人称代名詞だと思いこみ、日本に来てにっこり 笑って「貴様は・・・」と話しかけた外国人の話が新聞に出ていた。ちなみにこちらは某大新 聞。

漢字はこういった誤解を招くが、これもはやっているそうな。意味がわからなくてもかっこい いらしい。ロシアでは「○○畳店」などと車体に書いたままの日本の中古車が走っていると報 じられていた。かっこいいからわざわざ消さないという。日本でもわけのわからない英語の書 いてある T シャツがたくさんあるように、漢字もファッションなのですな。そういえば、シド ニーに日本語で「永遠に若者」と胸に大きく書いてある T シャツを着た白人の若者がいた。ほ しい、その T シャツ。

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